小悪魔な幼なじみ
「はい、じゃあ席移動してー」
そんな先生の言葉でみんなが移動を始める。
教室中が机のぎーっという音に埋め尽くされる。
そんな中、いち早く移動を終えたあたしは萎えていた。
なぜ、って?
そんなこと…わざわざ説明しないとダメ?
口に出すとよけい、萎えちゃうんですけど。
「雫!前後とか奇跡だね!」
あたしの前に移動してきた梢が言う。
「え?うん…ホント、ヒドイ奇跡…」
「え?ヒドイ?」
「あ、ううん。なんでもないの」
確かにね、梢と前後の席になれたのは嬉しいよ?
だけど…
「席替えの神様に頼んだおかげだな、これ」
左を見ればそう言ってニヤッと笑う廉。
そして…
「楽しくなりそうだね!」
右を見れば爽やかに微笑んでいる竜馬くん。
こんな状態…あたしに耐えろというんですか?