小悪魔な幼なじみ
戸惑い
「うーん…今日は読書日和だね」
珍しくあたしが図書室にいると背後からそんな声。
もう聞き慣れた透き通るその声の持ち主は竜馬くんだ。
「あーうん、そうだね」
「あれ?もしかして今から昼寝しようとしてた?」
あたしの隣に座った竜馬くんはそう言って悪戯っ子のように笑う。
「あれ?バレちゃった?」
あはっと笑って見せる。
さすが、竜馬くんだ。
あたしのこと、よく分かってる。
今、お昼休み。
5時間目の前に静かな図書室で昼寝をしよう、
それがあたしがここにいる理由。
実際、眠すぎて今にも瞼が閉じてしまいそうだ。
「ごめんね?邪魔しちゃって。
俺のことは気にしないで寝ていいよ」
そんな竜馬くんの言葉に甘えることにしたあたしは静かに瞼を閉じた。