小悪魔な幼なじみ
「…うっ」
叫びたいキモチを堪えるためか梢は口に手を当てる。
「そういう…ことだったのね」
梢は深呼吸を3回ほど繰り返す。
そして呟く。
「音無くん、我慢…できなかったんだろうね」
「え?何それ。
梢、なんか知ってたみたいな口ぶりじゃん」
そう言うと梢はあたしと肩を組む。
「あったり前じゃん!
多分、廉くんも気づいてたと思うよ?
音無くんが雫を好きだ、って。」
何よ…それ。
梢も廉も気づいてたのにあたしに教えてくれなかったの?
「で、雫はなんて返事したの?」
「まだ…してない」
「はっ?!なんで?
答えは決まってるんでしょ?」
「うん。だから今日、帰る前にちゃんと言うよ」
梢はお姉ちゃんみたいにあたしの頭を撫でる。
「あー!髪型、崩れる!」
「うるさいよー!!」
これから先生に怒られに行くというのに
あたしと梢は廊下でそんなふうにはしゃいでいた。