小悪魔な幼なじみ
「あ、ごめんね?
無理矢理連れてきちゃって」
着いた場所は図書室。
ここに来た理由なんてない。
ただ…なんとなく。
「いや、全然いいんだ。」
竜馬くんはいつものように笑う。
「それで…その…返事…なんだけど」
どこに視線を置けばいいか分からず、
俯いたまま、あたしは言う。
「あたし…竜馬くんのことは…「そういうふうには見れない」
え?そう言って顔を上げると竜馬くんは背を向けていた。
「俺のことはそういうふうには見れない。
友だちとしてはスキだけど、
男として見られないんだ。
どう?違う?」
「あ…うん」
あたしの言おうとしていたことを先に言ってくれて少し、ほっとした。
「分かってたよ。
そう言われるのは。
分かってたから…
だから…余計、辛い」
そう言って振り向いた竜馬くんの顔は
とてもあの爽やかなキラースマイルを浮かべる竜馬くんと
同一人物とは思えなかった。