小悪魔な幼なじみ
「雫ちゃんは、可愛いよ。
それは…俺が1番…いや、廉の次によく知ってる」
竜馬くんは告白したときと同じ、悲しそうな笑顔を見せる。
「ちゃんと、素直になりなよ。
意地張ってたら後悔するに決まってるんだから。
出来るだけ俺…雫ちゃんの恋、応援する。
だから、俺をフった分、廉と幸せになって。
はい、約束」
竜馬くんはそう言って小指を出す。
「なんか…懐かしいね」
自分の小指と竜馬くんの小指を絡ませる。
「頑張れ、雫ちゃん」
竜馬くんはあたしの頭に手を置くとそう言って笑った。
悲しそうなんかじゃなく、
きっと…それは今まで1番、いい笑顔。
「竜馬くん…ありがとう」
だからあたしも1番の笑顔で返したんだ。