小悪魔な幼なじみ




廉があたしから離れる。

そして顔を覗き込む。



「あ、あたし…」



もう…やめよう。

いい加減、意地を張るのはやめよう。


いつだかお母さんが言っていた言葉を思い出す。


『意地を張ったところで何も得しない。

意地を張るより、素直になるほうがずっと楽なんだよ』


素直になるための1歩を踏み出すのは

すごく、ドキドキした。


だけど、きっと…もうこれがラストチャンス。

そんな気がしたんだ。


素直にならなくちゃ。

素直に…なるんだよ、雫。



「あたし…廉がス…」


最後まで言い終わらないうちに

廉に唇を奪われた。



「やっと…認めてくれた」


廉はそう言って微笑んだ。

そしてまた、キス。


今度は少し長め。

長いキスをしながら心の中で呟いた。



あたしもずっと…廉がスキなんだよ。

















【END】



→おまけ











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