小悪魔な幼なじみ

仲直り





ってあたし…何思い出しちゃってるんだろ…


あのときのことは今もまだ、鮮明に覚えてる。



確か…キスされてあたしはイマイチ状況が把握できてなくてポカーンとしてるところに



「廉!雫ちゃん!」

って誠司おじさん(廉のお父さん)の声が聞こえて。



そのあとに懐中電灯を思ったお父さんも現れて。

お父さんの姿を見たあたしは安心して大号泣。



「心配したんだから」

お父さんは泣きじゃくるあたしを抱きしめてそう呟いて。



顔を上げるとちょうど、廉と誠司おじさんが視界に入って。

さっきまで強がってた廉も泣いてて。



「やっぱり廉くんは男の子だな~」

って静かに泣く廉を見てお父さんが呟いてた。


その帰り道。



「ね?お父さん?」

車に自転車をつんであれだけ苦労して来た道を楽に戻っていく。



「ん?どうした?」


「……キスって何?」


今になってあのときの自分はまだまだ幼かったな、って思うよ。

キスって何?なんて質問、今じゃできない。


ってか、しないけど。


にしてもこの質問したときのお父さんと誠司おじさんの反応はウケるな。

2人してえ?って気の抜けるような声出して。


そのあとに


「雫?どうしてそんなこと聞くの?」

って聞いたお父さんに幼いあたしは答えた。



「さっきね、廉にキス…されたの」

って。


そうしたらお父さんと誠司おじさんは


「「えええぇぇぇぇ!?」」

キレイにハモりながら大声で叫んで。


でも廉は爆睡。

よっぽど疲れてたんだろうね。







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