小悪魔な幼なじみ
第2章
GW
「もうさー…4月も終わりだよー?」
ある4月後半のお昼休み。
梢はイスに反対向きに座り、眠そうな顔をしながら言った。
「んー…そうだね。
で、それがどうかしたの?」
あんたは鈍感ね、とも言わんばかりの梢の顔。
はぁ…と溜め息をついた梢は言った。
「4月が終わるってことは、だよ?
5月に入ったらすぐにゴールデンウィークがあるってことじゃん!」
「あ~…そういうことね。
ま、関係ないよ、あたしには。」
そう。
あたしには大型連休だって
黄金の週間だって関係ない。
なぜなら
『教師に休みはないんだよ、雫』
これがお父さんの口癖だから。
うちのお父さんも、お母さんも教師。
休みはほとんどゼロ。
だから今までゴールデンウィークに
家族旅行や家族で家でまったり。
なんてこと、やったことがない。
だからあたしにはゴールデンウィークなんて関係ないんだ。