小悪魔な幼なじみ
「あ、おかえり、先生!」
お母さんの顔は満面の笑み。
「うん、ただいま」
お父さんも満面の笑み。
って、そうじゃなくて!
「行かないったら行かないんだから!」
そう叫ぶとあたしは鞄を持って自分の部屋に入った。
もうホント、イヤだ。
そりゃあね、
あかねちゃんはいい子だし、
光さんは大好きだし、
廉のお父さんの誠司さんは優しいし、
一緒に旅行に行けば楽しいと思うよ?
でも廉がいるんだよ?
一緒に学校行くだけであれだけからかわれるのに
旅行に行った、なんて知られたら何を言われるか分からない。
どうにかして、不参加を確かなものにしないと。
そうじゃないと梢にも申し訳がたたないしね。