小悪魔な幼なじみ
「あの、ずっと疑問だったこと1つ、聞いていいですか?」
ゴールデンウィークだけあって高速道路にのった瞬間、大渋滞。
各々が好きなことを話していると廉が突然、声を上げた。
それもお父さんとお母さんに向かって。
「どうした~?廉くん」
そうお父さんが言うと廉は少し躊躇いながら言った。
「こんなこと聞いてもいいか分からないんですけど
どうして零さんは秋平さんのこと、名前じゃなく先生って呼ぶんですか?」
あらら…
このタイミングでその質問、しちゃうのね、廉。
チラッとお母さんの横顔が見えた。
顔を真っ赤にして俯いてるみたい。
前にあたしが聞いたときも同じ反応だったなぁ…
お母さん、この質問には大照れなんだよ。
「センセ、なんて答えるのかなぁ~?」
光さんがおもしろそうと言わんばかりにお父さんに言う。
お父さんはまいったなぁ…と呟きながら髪の毛を触る。
これ、動揺してる証拠なんだ。
笑いをかみ殺すあたし。
そうすると程なくしてお父さんは言った。
「実はね、廉くん。
零は…俺の生徒だったんだ」