小悪魔な幼なじみ
隣であまりの衝撃に口をパクパクさせている廉。
面白い顔、廉でもするんだぁ…
なんてちょっとした発見。
「し、雫は…知ってた?」
「もちろん」
あたしがそのことを知ったとき、廉とまったく同じ反応したような記憶がある。
「本当なの…?母さん」
「当たり前じゃない。
だから、零ちゃんはあたしの生徒でもあるの」
光さんは微笑む。
こう見るとちょっと不思議な感じがする。
だってお父さんと光さんは同僚で。
その2人の教え子のお母さんがいて。
先生と生徒の子どもが幼なじみで。
こうして旅行に行こうってなってるんだから。
「やり手…ですね、秋平さん」
我を取り戻した廉はそう呟いてニヤッと笑う。
「まあね。
これでもいろいろあったんだから」
お父さんがそう言うとそれに反応したのは光さんだ。
「ホントにいろいろありましたよね~
あたしに感謝してくださいよ~」
ん?
どういうことだろう。
あたしに感謝して、って。