小悪魔な幼なじみ
「なんで?
廉、自分の部屋、帰りなよ」
確か、隣の部屋は水谷家なはず。
なんでわざわざうちの部屋に来るの?
「だってみんな温泉に行っちゃったから。
俺、暇だし、雫も暇かなぁーって。」
はぁ…と溜め息をつきながら追い返すのも気が引けたので仕方なく廉を部屋に入れる。
「あのさー…あかねと優ってどうなると思う?」
畳に腰を下ろしてすぐに廉が切り出す。
「どうってどう?」
「例えば、恋人同士になっちゃう、とか。」
何を言い出してるの?突然。
と、言いたいところだけどこれが廉だから。
もう慣れた。
「それはないでしょ。
あかねちゃん、廉以外目に入ってなさそうだし。」
「ソレ。ソレが困るんだよ…」
廉は困ったような顔をしながら続ける。
「もうあかねは小5だろ?
そろそろ、兄離れ、してもおかしくない年頃なのに、全然その気配がない。
兄貴的には困ってるワケ。」
なるほどね。
確かにそれは言えてるかも。
「でもさ、あかねちゃんが
廉、ウザイ!って言ったら廉、ショック受けるでしょ?」
答えは聞かなくても分かってる。
「いやぁ…まあ、それはそうだけど」
やっぱりね。
兄離れを望む前に妹離れ、したら?廉。