小悪魔な幼なじみ
「……おっ?!廉くんじゃないか。
どれどれ、俺も2人の話に参加しようかな」
そう言って部屋に帰ってきたのはお父さんだ。
何?このウザイ絡みかた…
と、思っているとニコニコ笑っている廉が
「どうぞ、どうぞ。
ちょうど、秋平さんに聞きたいこと、あったんですよ」
お父さんにあたしの隣の座布団をすすめた。
そうかそうか、なんて言いながら座るお父さん。
ホント、なんかオヤジくさい。
最近、ますますそんな感じだからイヤだ。
「ってか、出てくるの早くない?」
まだ出て行って20分も経ってない。
「連休だけあってすごい人でな。
誠司くんと優はその中でも温泉につかってたけど、お父さんは耐えられなかったから先に出て来たんだ」
………あのさ、お父さん。
無責任すぎない?
自分の息子を人に預けてお風呂から出てくる、って。
呆れて溜め息をつく。
「雫、溜め息つくと幸せ、逃げるんだよ」
なんて言っているのは廉だ。
ねぇ…廉。
そんなこと言うの…小5の女の子くらいだよ?
廉にも呆れて。
はぁ…
ってまた、溜め息出ちゃったし。