小悪魔な幼なじみ





「れ…廉!?」


なんで?

今さっきまで、女の子に囲まれてたのに…



「で、そんなに俺のこと、キライ?」


傷ついたような、潤んだ瞳であたしを見つめる廉。

やめてほしい、ホントに。


小さい頃から廉はすぐにこういう顔をする。

そして、こっちに「ごめん」って言わせようとするんだ。


でも、もうそんな顔をしたって通用しないこと、教えてあげないと。

そう思い、あたしは言う。



「そうよ。

廉なんてキライ。


大ッキライなんだからっ!」


後ろからあちゃ~…なんて梢の声が聞こえる。



「…………そっか」


廉は傷ついたような顔をしたまま、教室を出て行く。




「いいの?雫。

廉くん、相当落ち込んでたよ?」



「い、いいんだよ、別に。

あんなヤツ、放っておけばいいの。」



そう口先ではなんとでも誤魔化せる。

でも、心の中じゃ言い過ぎたかな…なんて考えてるあたしがいて。


廉を追いかけようか迷っていると担任の先生が教室に入ってきた。



「じゃ、席戻るね、雫」


梢はそう言って自分の席へ戻る。


どうしよ…

あたし、謝るべきなのかなぁ…









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