小悪魔な幼なじみ
「クリスマスの何週間か前。
俺、校長と教頭に呼び出されたんだ。
そこで、言われた。
西城零と付き合っているんですか?
って。
ホントにビックリしたよ。
この関係だけは絶対にバレちゃいけない、
って思ってたから細心の注意を払って行動してたのにまさかそんなこと言われるなんてね。
で、たまたまそのとき廊下に零がいたらしいんだ。
それを聞いて零は別れるしかない、って思ったらしい。」
あたしはそのときのお母さんの気持ちを考えて胸が痛くなった。
だって…そんなの、辛い。
……辛いよ。
「なんかカッコイイですね、零さん。
言ってみれば愛あってこその決断ですもんね」
「なんか恥ずかしいなぁ…そんなこと言われると」
お父さんの照れたような声。
「あの、突然、ヘンなこと言ってもいいですか?」
え?なんでこのタイミングで突然話を切り出したの?廉。
「ん?なんだい?」
お父さんの声が聞こえてから多分、1分くらいの沈黙があった。
そして、聞こえたんだ。
こんな、廉の言葉が。
「俺…雫がスキです」