小悪魔な幼なじみ
第3章
勉強会
それから水谷家との温泉旅行は穏便に終わった。
あたしが廉とあんまり話さなかった以外、
とくに変わったことはなかった。
………え?
なんであんまり話さなかったか、って?
そんなの簡単な話。
露天風呂で聞いた廉のキモチのせい。
あんなこと聞いていつも通りになんて接しれるワケないでしょ。
「なぁ…雫。
なんで怒ってんだよ?」
「別に。ってか怒ってないし」
「ほら、怒ってる」
「怒ってない!」
「怒ってるって」
「怒ってないってば!」
それを何回も繰り返した覚えがある。
でも、ホントに怒ってなんていなかった。
ただ、恥ずかしかっただけ。
「俺…雫がスキです」
そんな廉の言葉を思い出しては一人で勝手に赤くなる。
「将来…絶対に雫と結婚します」
この言葉を思い出しては廉を殴りたくなる。
だってわざわざお父さんに言わなくてもいいでしょ?
って感じなんだもん。