小悪魔な幼なじみ
「じゃあ次の授業の準備して席に着いておくこと~
はい、じゃあ解散」
担任の先生の言葉が終わると同時に教室にざわつきが戻ってくる。
そしてあたしは目の端で梢の姿を確認。
よし。今、梢は隣の子と話し込んでる。
その姿を見てあたしは自然な素振りで教室を出た。
梢、絶対あたしをからかうんだ。
廉を探しに行った、なんて知ったら。
「せんせー?
廉、いる?」
廉が逃げ込む場所。
それはここしかない。
「あら。雫ちゃん。
いるわよ、廉くん。
けど、すねて寝ちゃったみたいね」
そう言ってあたしに微笑むの保健の先生。
もう、それはそれは天使のような先生だ。
あたしが大人になったらお母さんか、保健の先生のような女性になりたい。
そう思わせてくれるような人が、保健の先生。
そして廉は保健室でよくサボる。
お腹痛い、とか
頭痛い、とか適当な理由つけて保健室でよく寝てるんだ、廉は。
「ちょっと職員室行ってくるから、ここ、よろしくね?」
保健の先生はニコッと笑って出て行く。
「……れんー?
起きてるんでしょー?」