小悪魔な幼なじみ




「じゃあ次の授業の準備して席に着いておくこと~

はい、じゃあ解散」


担任の先生の言葉が終わると同時に教室にざわつきが戻ってくる。


そしてあたしは目の端で梢の姿を確認。

よし。今、梢は隣の子と話し込んでる。


その姿を見てあたしは自然な素振りで教室を出た。


梢、絶対あたしをからかうんだ。

廉を探しに行った、なんて知ったら。




「せんせー?

廉、いる?」


廉が逃げ込む場所。

それはここしかない。



「あら。雫ちゃん。

いるわよ、廉くん。


けど、すねて寝ちゃったみたいね」


そう言ってあたしに微笑むの保健の先生。


もう、それはそれは天使のような先生だ。

あたしが大人になったらお母さんか、保健の先生のような女性になりたい。


そう思わせてくれるような人が、保健の先生。


そして廉は保健室でよくサボる。


お腹痛い、とか

頭痛い、とか適当な理由つけて保健室でよく寝てるんだ、廉は。




「ちょっと職員室行ってくるから、ここ、よろしくね?」


保健の先生はニコッと笑って出て行く。




「……れんー?

起きてるんでしょー?」







< 8 / 215 >

この作品をシェア

pagetop