小悪魔な幼なじみ
「……やった」
5問中1問間違い。
セーフ。
廉にキスされずに済んだんだ!
「あーあ、ホント、おもしろくない。
………あ、そうだ。
ご褒美にキス、してあげよっか?」
「いらない!そんなもん!」
「そんなもんはヒドイよ、雫」
廉は心底傷ついたような顔してるけど、
今回は謝ってあげないよ?
だってあたし、喜びに浸らなくちゃいけないんだから。
「早く続きやりなよ。
やらないなら俺、帰るけど」
そう言って片付けを始めようとした廉。
慌てて次のページを開いた。
だって廉がいなきゃ課題なんて進まないに決まってる。
そろそろ、集中力も切れてくるころだし、
誰かいなきゃ勉強、できないんだ。
と、そこへ
【コンコン】
ドアがノックされて。
続けて聞こえたのはお父さんの声。
「しずくー!入るぞー!」