小悪魔な幼なじみ
「あのさ、前にも言わなかったっけ?
返事する前に入らないで、って」
間抜け顔して部屋に入ってきたお父さんを思い切り睨む。
でもお父さんが悪いんだから仕方ない。
「すまんすまん」
「それ、オヤジくさいよ」
「ごめん、雫。
だからそんな怒るなよー」
こんなお父さんとのやり取りを見て笑う人物が1名。
「廉、笑わないでよ」
「ごめん。おもしろくて…つい」
どこがおもしろいのかあたしにはさっぱり分からないよ。
「おお、やっぱり廉くんがいたのか」
「お邪魔してます、秋平さん。」
廉は完璧なスマイルを顔に貼り付けてお父さんに軽く会釈。
恐るべき、水谷廉。
きっと、お母さんの方から譲り受けてるんだろう。
光さんなら完璧なスマイル、持ってそうだから。