小悪魔な幼なじみ




それから30分。


あたしは廉に。

廉はお父さんに勉強を教えてもらっていた。



「なんか懐かしい気持ちになるなぁ」


お父さんが呟く。



「なんで?」

そう聞くと待ってましたと言わんばかりの顔でお父さんはテーブルに前のめりになる。



「零がな、まだ高校生だったとき、

テスト前に調理室で勉強してたなぁーって思ってさ。


雫の今の姿と零のあのときの姿が被って見えるんだよ」


懐かしそうに少し遠くを見つめるお父さん。



「今じゃ、零が勉強してる姿なんて早々見れないだろ?

だから雫見て、すごく懐かしい気持ちになったんだ」


「そんなにあたしとお母さんって似てる?」


そう聞くと


「そっくりだよ。

昔の零を少し幼くした感じ」


と、言われてなんだか少し恥ずかしく感じた。


なんで恥ずかしく思ったのかは分からないけど。









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