小悪魔な幼なじみ





「俺、それ聞いて秋平さんが零さんに惚れた理由、分かった気がします」


廉が突然、そんなことを言い出す。



「おー!そうか、そうか。

廉くんは分かってくれるか!」


「多分、俺と秋平さんの好みのタイプ、似てるんだと思いますよ」


はぁ…

まったく、中2の廉と30代のお父さんがどんな話をしてるワケ?


若干呆れ気味のあたしの前でお父さんと廉は楽しそうに話をしている。



「ねぇ、お父さん?」


一通り廉との話を終えたお父さんにふと思ったことをぶつけてみる。



「男としてじゃなく、教師としてお母さんってどんな生徒だった?」


そう聞くとお父さんは考え込んでしまう。



「まあ一言で言えば可愛い生徒だったよ」


それを聞いて吹き出すあたし。

だってそれ、教師としてじゃなく、完全に男としての目線で言ってるでしょ?



「笑うな、雫。

でも、仕方ないだろ。


俺が初めて零と話したときはもう、アイツを生徒として見れなかったんだから」


そんなセリフに少しドキッとした。

あたしがお母さんの立場だったら言われてみたいかも。



すると突然、ドアが開いてこんな言葉がお父さんに直撃した。


「先生、いい加減、子どもたちの前で恥ずかしいこと言うの、やめてくれる?」










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