小悪魔な幼なじみ





「ねぇ、お母さん?」


結局、やる科目は英語でも社会でもなく、数学になり、

また真面目にやること30分。


集中力が切れたあたしはお母さんに普段なら聞けない話を振った。



「お父さんのどこに惚れたの?」

そう聞くとお母さんの顔が一瞬に真っ赤になる。

まだまだ乙女なんだね、お母さん。



「あ、それ俺も聞きたいっす!」


さすが廉。

後押しありがとう。



お父さんは黙ったままお母さんを見つめている。

ねぇ、お父さん。

口元隠してるけどさ、ニヤけてるのバレバレだよ。



「そ、それは…」


お母さんは俯いてペンをぎゅっと握りながら小さな声で呟いた。




「……顔、かな」












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