小悪魔な幼なじみ
「しずくー?
ご飯だよー?」
その日の夜。
そんなお母さんの声に仕方なく1階に降りて食卓につく。
「雫?どうしたの?
そんなブスッとした顔して」
「そのまんまブスになるよ、姉ちゃん」
弟の優がケラケラと笑う。
「こら!優はちょっと静かにしてなさい」
お母さんに叱られた優はシュンとして小さくなる。
いい気味ね、優。
あんたが最近生意気になったのがいけないのよ?
「別に。ちょっと廉とケンカしただけ」
アイツ…!
今回だけは絶対に許さない!
あたしからなんて死んでも謝ってあげないんだから!
「仲良いのね、相変わらず」
「どこがぁ!あんなヤツと仲良くなんてない!」
そんなあたしの言葉になぜか笑うお母さん。
「ほら、昔からよく言うでしょ?
ケンカするほど仲が良い、って」
あんなヤツと…
あんなヤツと仲が良いワケないでしょ!
あたしは箸をバンッとテーブルに叩き付ける。
「ごちそうさまでした」
1口もご飯に手を付けることなくそう叫んで部屋に逃げ込んだ。
もうヤだよぉ…