《イタズラメール》

「また、後ろにのっけてやるからよ。
番号教えろ」





陸が慣れたような言い方をした。





だけど、陸の耳が赤くなっているのにきづいた。





あたしは笑いながら、携帯を取り出す。



「んっ?あれ……」




すっかり、寒くてかじかんだ手。




うまく、携帯をいじれない。




「かしなっ」




陸が自分の手袋をぬぐと、乱暴にあたしの手をとった。




ゴシゴシゴシゴシ。




あたしの手を摩擦で、温めようとしてくれる。




「い、いいよ」


「黙ってろ」




陸は、自分の口元にあたしの手を近づけて息をかけた。




寒さなんて、どうでもよかったのに……



温かいって、感じるあたしがいる。





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