秘密の誘惑
長い一日を終えて電車に乗った。


父親からプレゼントされた腕時計を見るとすでに7時を回っていた。


萌としても定時で上がりたかったのだが帰る間際、受付の先輩 宮崎 恭子に呼び止められ受付の心得なるものをみっちり暗唱させられたのだ。


もうっ!やってられないよ・・・。本気で辞めようかな・・・。


宮崎 恭子は萌より2年先輩で、去年新入社員が入らなかった受付で萌が入るまで一番下っ端だった。


萌が入ってきてやっと先輩風を吹かせられるようになったのだ。


ブルルルル・・・・


バイブレーション機能にしてあった萌の携帯電話が振動した。


日菜ちゃんだ・・・。


時間になっても来ない萌を心配してかけてきたのだろう。


萌は今向かっているとメールを打ち日菜へ返信した。



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