秘密の誘惑

本音

「苗字は言いづらくてね」


驚きを隠さない須山にディーンは苦笑いを浮かべながらそう言った。



「そうですね 確かに苗字より名前の方が呼びやすい 私もアメリカに留学していた時はほとんどファーストネームで呼んでいましたから」


須山はディーンの言う事はもっともだと言うように頷いた。



* * * * * *


1人で入れたコーヒーを萌は味見してみる。


大丈夫 味はOK


ホッとしながら支社長室へ用意したコーヒーを持って行った。



受付業務で接待には慣れた萌だったが、すぐ近くにディーンがいると緊張する。


手が震えてコーヒーをこぼさないように落ち着こうとした。


「ありがとう 戻ってて良いよ」


萌は軽く会釈をすると隣の部屋へ戻った。


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