秘密の誘惑

「噂で聞いたんだけどさ、柏木さんってアメリカのエール大学で博士課程を取っているらしいよ？何の学部かは知らないんだけど」


「ぅわっ　そんなにすごい人だったんだ」


真剣に尊敬してしまう。


「出来すぎる人の下で働くのって大変そうじゃない？」


うん　確かにそう・・・。


「頑張るのみだね」


そう言うと腕時計に視線を移す。



「あっ、いけない　もう戻らなきゃ　急ぎの仕事をしている柏木さんにコンビニでサンドイッチを頼まれているんだ」


「まだ30分しか経ってないよ？支社長の話聞きたかったのに～」


絵美は席を立った萌に不服そうだ。


「ごめん、今度おごるね」


そう言うと萌は足早に社員食堂を出て行った。