秘密の誘惑
インターホンを鳴らす前に日菜がドアを開けた。


「萌、お疲れ~」


日菜が笑って出迎える。


「遅くなってごめんね」


一応、遅れた事を謝るのが礼儀だと萌は謝った。


「仕方ないよ~ お仕事だもんね」


能天気に言う姉に萌は肩をすくめた。


「どうぞ、入って 入って~」


萌は黒いブーツを脱いで隅に置く。


目に入ったぴかぴかの大きなビジネスシューズが二足。


千波兄と・・・もう一人・・・。


ビジネスシューズは履き心地が良さそうでいかにもセレブって感じ。


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