秘密の誘惑

デート2

ディーンに引っ張られるようにして中央のエスカレーターに向かう2人の後姿を見て日菜は小首を傾げた。



「千波くん、あの2人良い雰囲気だね」


萌は困った顔をしていたけどディーンさんは嬉しそうだった。



「まあ・・・あれを良い雰囲気と呼べるか分からないが・・・」


日菜の腰に手を置くと予約している懐石料理の店へ向かった。




日菜と千波の視線を背中に感じながらエスカレーターに乗せられた萌は困った顔をしていた。



「支社長・・・」


「ディーンと呼ぶように言っただろう?」


「ディーン・・・」


「千波の誘いを断ったから怒っているのか?」


戸惑っている萌に勘違いをしている。



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