秘密の誘惑

日菜からの呼び出し

「し、支社長・・・」


戸惑いの目でディーンに訴える。


ここはタクシーの中だ。


いちゃつくカップルを見てきているであろうタクシー運転手でも萌には恥ずかしい。


「しっ・・・黙って」


耳元にディーンの息がかかると甘い感覚に襲われる。



結局そのままの姿勢で30分間過ごすことになった。



萌の家の前に到着すると腰に回っていた腕が離された。


ディーンも降りようとすると萌が制した。


「大丈夫ですから このまま帰ってください」


遅い時間を気にして萌は言った。


「・・・分かった では明日」


軽く唇にキスを落とされる。


なんだかそれが当たり前になってきた気がした。



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