秘密の誘惑
その音を聞いて萌は肩を落とし、息を吐き出した。


緊張で気づかぬうちに息を止めていた。



行っちゃった・・・。


自分が帰ってくださいと言ったのに実際に帰ってしまうと悲しいし寂しかった。


「はぁ~」


大きなため息を吐き、両手を上げて大きく伸びをした。


「頑張ろうっ!」


誰もが聞こえる声で呟くと書類に集中した。



集中しようとしたけどディーンが現れた事でなかなか集中出来ない。


本当に帰っちゃったんだ・・・。


ディーンを振り払うために萌は思いっきり深くため息を吐いた。



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