秘密の誘惑
「あたしの会社の支社長だからっ」


萌は一気に言う。


「萌ちゃんはわが社の社員?」


ディーンが聞く。


「そうか、どおりで聞いたことのある社名だと思っていたんだ」


千波が思い出したように言った。


「すごい偶然だね 千波くん」


日菜が目を丸くして言う。


萌は暑くなってパタパタと手のひらで仰ぐ。


どうしよう・・・。


彼に憧れて会社に入ったのに・・・。


その人が千波兄の親友で、目の前にいるなんて夢みたいな話だ。



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