秘密の誘惑
カウンターを離れようとした時、航空会社の社員が萌を呼び止めた。
「藤田様」
「はい?」
まだ何かあるのかと小首をかしげる。
「会社からお電話が入っております」
女性が受話器を差し出す。
「あ、はい ありがとうございます」
お礼を言ってから受話器を受け取る。
『萌? 私だ』
「支社長・・・」
『待っているからな?』
いつになく優しい声に聞こえた。
「・・・はい」
『良かった 逃げたのかと思ったぞ?』
「ち、違いますっ!」
あたしが逃げられるわけがない。
会いたいと思う気持ちはあたしの方が大きいに違いないのだから。
「藤田様」
「はい?」
まだ何かあるのかと小首をかしげる。
「会社からお電話が入っております」
女性が受話器を差し出す。
「あ、はい ありがとうございます」
お礼を言ってから受話器を受け取る。
『萌? 私だ』
「支社長・・・」
『待っているからな?』
いつになく優しい声に聞こえた。
「・・・はい」
『良かった 逃げたのかと思ったぞ?』
「ち、違いますっ!」
あたしが逃げられるわけがない。
会いたいと思う気持ちはあたしの方が大きいに違いないのだから。