秘密の誘惑
もう一度キスをしたディーンは車から降りた。


萌も後に続く。


最後のキスは深く濃厚で萌の身体を痺れさせるほどだった。



車から降りた萌の足元がふらついた。



「大丈夫か?」



とっさに支えられて無様に転ばずに済む。



「は、はい・・・」



キスされた唇は今でも熱く、瞳は暗がりでもキラキラと潤んでいる。



萌の身体から離れた。



もう一度車の中へ戻しホテルへ行き何度も愛を交わしたくなる衝動を抑えるには相当の忍耐力を使う。



両掌をぎゅっと結び拳をきつく握る。


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