秘密の誘惑
エンジンがかかりテールランプが一回点くと車はゆっくり動き出した。


萌はその後ろを追う様に影から出ると去っていく車を見つめた。



涙が溢れ出て車が見えづらい。



あたしが決めた事なのに・・・。






「彼女、出て来ましたよ?」


運転を任されているカーティスが後部座席のディーンに告げる。


「止まりましょうか?」


ディーンは小さくため息を吐く。



「いや、行ってくれ」



萌は去った車の方をしばらく見つめていた。



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