秘密の誘惑
早く帰りなさい・・・なんて魅力的な言葉なんだろう。


書類を仕上げた萌はやっと肩にかかる重圧から解放されようとしていた。



１週間ほど前から胃が痛み、食事の量が減った。



今も胃がきりきりと痛み、時折刺す様な痛みに変わる。



胃薬も最初のうちは効いていたが今では効かなくなっている。



ゆっくり休めばすぐに治る。



３日後に両社の契約が済めば肩の荷が下りるだろう。



そしてディーンとの約束の１年があと数日でやってくる。



約束どおりあれから私たちは上司と部下の立場だった。



ディーン、あたし・・・みんなに認められたかな・・・？


萌なりに手ごたえはあった。



でも・・・１年経った今　ディーンはあたしの事なんて好きじゃなくなっているかもしれない。


「っ・・・」


胃が刺すように痛み、治まるように手で押さえた。


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