秘密の誘惑
グラスの中のシャンパンを飲み干すと、空腹からまた胃が痛み始めていた。


「ちょっと、失礼します」



萌は痛みを顔に出さないようにして2人から離れた。



「萌さん、要領よく動かないと最高級のお料理を食べはぐるわよ」


見かねた裕美が近づいた。



「はい」



にっこり笑みを浮かべた時、胃液がせり上がってくる感覚を覚えた萌は手を口元にやった。



「萌さん?」



「化粧室に行ってきますね」



裕美に断ると萌は足早に部屋を出た。



< 241 / 404 >

この作品をシェア

pagetop