秘密の誘惑
入院したと知らせを受けた裕美は慌てて来た。


ディーンを目にすると軽く頭を下げてベッドに近づく。



萌は点滴の管につながれていたが起きていた。



「萌さん、やっぱり酷い状態だったのね」


やっぱり?


裕美の言葉にディーンは左眉を上げた。



裕美は具合が悪い事を知っていたということか・・・。



「ご心配をおかけしてすみませんでした」



まだ痛むのか表情が冴えない。



「しっかり治さないとね 仕事は私に任せて」




裕美とディーンが部屋を出た後、萌は頭を窓の方に動かした。


結果的に自分が病気になってしまいリチャーズの契約を終えたという達成感も消えてしまい気分が落ち込んだ。



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