秘密の誘惑
「本社の会議と君の事を報告に行ってくるよ 本来ならば君と一緒に行きたかったが、まだ出かけるには身体がついていかないだろう」


簡単な説明だが、アメリカへ帰国すれば連日の会議は免れない。



萌の一瞬陰ったのを見過ごさなかったディーンは萌の頬を優しく撫でた。



「ディーン・・・」



「私が帰って来るまでに体調を整えていて欲しい」



萌は寂しさを押し隠してコクッと頷いた。



「あたし・・・」


「ん?」


「・・・あたし、早くディーンの奥さんになりたい」


ディーンがなぜか驚いた顔になったが、すぐに口元に笑みが浮かんだ。



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