秘密の誘惑
テラスから部屋に戻るとカーティスの姿はもうなかった。


「温かいうちに食べよう」



スマートな仕草でイスを引くと萌を座らせた。



そして自分も対面に座ると冷えたシャンパンのボトルをクーラーから持ち上げて萌のグラスに注ぐ。



キラキラ光る気泡が金色の液体の中で踊っている。



「これからに乾杯しよう」



ディーンが萌のグラスに合わせた。



シャンパンはとても美味しくてもっと飲みたくなったほどだった。



だけど、身体を心配しているディーンに止められてしまった。



「しっかり治ったら好きなだけ飲ませてあげよう」



「・・・ぅ・・・そんなに好きなわけじゃ・・・」



ディーンに笑われて顔を赤らめた萌だった。




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