秘密の誘惑

こそこそ

「あ、あのうちの場所――」


「知ってる・・・と言うか千波の家の前なんだろ?」


「そ、そうです」


萌は頷いた。



萌の緩く巻かれた長い髪が頷いた為に唇に張り付いた。


「萌」


ディーンの手が伸びてきて唇にかかる髪の毛が払われた。


「あ、ありがとうございます」


や、やだ・・・胸が苦しい・・・。


「どういたしまして」


ディーンは運転手に場所を告げると車はゆっくり動き出した。


萌が生まれて初めて経験する緊張。


千波兄と一緒でもこんなにドキドキする事はなかったかも・・・。


きっと顔が赤くなってる。


車内が暗くて良かった。


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