秘密の誘惑
「これは・・・・・・?」


ディーンは封筒を手にして中を開けた。



今夜21時発の萌の航空チケットだった。



ディーンは怒りに任せてぐしゃっとチケットを握りつぶした。



「萌が来ているのか?」



そうでなければNYC(ニューヨーク)-NRT(成田)のチケットはありえない。



「くそっ!カーティス!カーティス!」



ディーンはカーティスの名前を呼びながら自分の携帯電話を探した。



「・・・そうだった」



喪服の胸ポケットに入れっぱなしだったことを思い出す。





携帯電話には萌からの着信履歴が何度もあった。



「くそっ!」



チケットを床に投げつけた時、カーティスがトレーを押して入って来た。



握りつぶされて床に落ちているチケットが目に入り、カーティスはゆっくり顔を上げた。



「どういうことなんだ!?カーティス!」



ディーンがこれほど怒りをあらわにしている所をカーティスは見た事がなかった。



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