秘密の誘惑
受付にはいつも花が飾られている。


業者に頼んでいるらしいが、その活け方が萌には気に入らない。



いつも誰も見ていない時にささっと直してしまうのだ。


このフロアーは下のフロアーと違い豪華な花が飾られている。


その活けられた花に目が止まる。


これもいただけないな・・・・。


萌はキョロキョロと辺りを見渡して百合の花を数本抜き取り別の場所へさしていく。


窮屈そうだった花たちの間に空間が出来て美しくなった。



「うん♪これで良いよね 我ながら自信作♪ せっかくきれいなお花なのに可哀想だったね」


花に向かってにっこり笑みを浮かべる。




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