秘密の誘惑
* * * * * *


ディーンは秘書の裕美に萌を呼んでもらった。


表向きは秘書課が話があるという事にした。


散々、探させた罰だ。


ディーンは口元に笑みを浮かべる。


まさか私が呼んだとは思わないだろう。


萌をビックリさせたいとディーンは思った。


元妻には顔と財産、男の能力としては最高だが、仕事ばかりで面白くない男だと言われた事がある。


確かに自分は仕事中毒だ。


そんなディーンの心に久しぶりに悪戯心が芽生えたのだ。


ディーンは廊下の角を曲がろうとした時、大きな花瓶の前に立っている萌を見つけてさっと隠れた。


なぜあんな所に立っているんだ?呼ばれた部屋がわからないのか?


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