秘密の誘惑

約束

「萌、約束は守ってもらうぞ?」


電話を切ってからディーンが言った。



「や、約束?」


ディーンって呼ぶ事?


「デートをする約束だ」


「し、支社長!あたしは社員ですよ?支社長と社員がデートだなんて」


デートをしたくないわけではなかった。


「では秘密にしよう」


サラッと言われては頷くしかなかった。


「今日はもう自宅へ帰りなさい 足を休めた方がいい」


「大丈夫です 大した事ありませんから」


「萌、また繰り返し捻挫をしたくないだろう?」


ディーンがわざとらしく大きなため息を吐いてみせる。


< 76 / 404 >

この作品をシェア

pagetop