秘密の誘惑

玉の輿?

「萌も誰かと付き合えばいいのに」


「そ、そんな人 誰もいないから」


萌は慌てて言った。



「そんな事無いよ~ 萌を狙っている男性は多いんだから」


目の前の目鼻立ちのはっきりした萌を見る。


ほんと、萌の睫毛って長いな~


いつの間にか萌の顔を見入ってしまう時がある。


あたしは男じゃないっつーの。


絵美は自分を笑った。


「あたしは自分から好きになった人じゃないと付き合いたくないのっ 好きでもない人に好きだって言われたら背筋がぞくっとなっちゃうの」


「萌、今の言葉、敵を作るから気をつけなよ?」


絵美は萌の高い理想に呆れた。


だって・・・本当なんだもん 自分から好きにならないと気持ち悪いの。


萌は肩をすくめると食後のコーヒーに手を伸ばした。



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