秘密の誘惑
ディーンが言いたいのは秘書課の中で誰一人、花を活け直せる者がいないと言う事なんだわ。もちろん、私もたしなみはあるけどあんなに大きな花瓶に生ける事は出来ない。



「彼女が気になるんですね?」


いっその事、愛人にでもしてしまえばいいんだわ。


裕美はこれほどまでに萌に入れ込むディーンを見て嫉妬心にかられた。



「そうだな 気になる、萌は親友の義妹だからな」


「えっ?」


親友の義妹だから気になる?


裕美は嬉しくなった。


「とにかく萌の才能を俺はかっている。大至急、処理するように」


話を切ったディーンは再びパソコンの画面を見始めた。


裕美は一礼すると支社長室を出て行った。



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