秘密の誘惑
「ディーンの言葉は絶対よ?貴方がここを止めない限り異動は撤回されないわ」


立ち上がった萌の身体がイスに沈んだ。


「それにディーンが取り成したと噂されれば貴方は敵をたくさん作ることになるわ」



彼女1人の意見を聞くなんて・・・・贔屓だ 何かあるんだろうと噂されてもおかしくない。


この異動に納得はいかないが決定権はディーンにある。



裕美の冷たい視線を受け、萌は下唇をきつく噛んだ。


あの時、言わなければ良かった・・・。



「分かったらその書類に目を通しなさい 私は協議書を作らなければならないの」



裕美は自分の机に戻ってイスに座った。



そしてノートパソコンに向かって仕事を始めた。



< 94 / 404 >

この作品をシェア

pagetop