純情恋心
こんな思いをしてまで、どうしてあたしは高遠先輩と離れたくないんだろう……なんて、そんな事まで考えてしまう始末。
でもそんなの答えは簡単で、ただ好きだから離れたくないだけなのに。
今度はじゃあどうして好きになったのか、なんてくだらない事ばかり考えて……そんな自分に嫌気が差して、あたしは両頬を手のひらで叩いて自分を戒めた。
今は余計な事を考えている場合じゃない、ただ高遠先輩を繋ぎ止める術を考える事が、今のあたしがするべき事。
それは自分の幸せを得るためだけじゃない、少しでも高遠先輩に幸せになって欲しいと思うから。
……信じる事が出来ないなんてもう言わせないために、あたしが信じさせる。
高遠先輩を決して裏切ったりしない……、ずっと変わらずこの想いに忠実にいる事が、あたしが高遠先輩を幸せにしてあげられる唯一の方法だと思うから……。
だから今日、必ず高遠先輩と話さなければいけない。
意気地無しのあたしが頑張れるのは、今日の一度きりのチャンスを逃さずに掴む事が糧となる。
じゃないとあたしのこの決意もきっと薄れてしまうから、今日じゃないと元も子もないんだ……。
そんな風に思う自分に呆れながらも、今は意志と意欲にみなぎるあたしは、握り拳を作ってその手を見つめた。