純情恋心

何があたしをこういう気持ちにさせるのか。

そう考えてみると、あたしはどうしてもひとつの答えにしか辿り着かない。

ただ高遠先輩が、あたしをちゃんと見てくれないから……悲しい。

いつの間にか高遠先輩の存在が、あたしの内で大きくなっていた。

毎日毎日悩まされて、その度に高遠先輩の事ばかりを考えて……あたしの頭は高遠先輩でいっぱいで。

あたしは知らずに、頭のどこかで高遠先輩を想っていた……。

「……千歳、人を好きになったらどうなるの……?」

あたしは自分の気持ちの答えが知りたくて、千歳にそう問いかけた。

あたしのこの想いが、もしかしたら恋なのかなと、それが知りたかったから。

『……前にも言ったけど、人それぞれだよ。ただその人の事を考えると苦しくなったり、頭から離れなかったりしたら好きって事なのかもね』

千歳の言葉は、あたしの頭の中をすっきりとさせてくれた。

色々悩まされて、いい事なんてあまりないけど……たまに見せる微笑みは、あたしの心をときめかせる。

だから例え高遠先輩があたしを心から想っていなくても、あたしは多分……そんな高遠先輩に、少し惹かれている……。

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